業務制服・オフィスユニフォームの素材～ウール（羊毛）～

今回は、ウール（羊毛）の特徴を解説していきましょう。人間が羊の毛を使って毛織物をつくりはじめたのは、紀元前2200年頃と言われています。長い年月をかけて品質改良が行われ、今日のような良質なウールが生産されるようになりました。

ウールの織物が広く普及しはじめたのは、18～19世紀のこと。産業革命によって織物の技術が向上したこともあり、様々な衣服に加工されるようになりました。

ウールの最大の特徴は、その暖かさ。冬物衣料には欠かせない素材で、現在では、セーター、スーツ、コート、ストール、手袋などのほか、毛布や敷物などにも使用されています。 制服ユニフォームにおいても、防寒性・保温性が求められる製品にはよく用いられます。

制服ユニフォームウール素材の特徴

綿（コットン）は、5000年以降も前から人類に親しまれてきた天然繊維。日本には、平安時代に伝来したと言われています。江戸時代には栽培・生産が拡大し、現在は衣類にもっとも多く使われる素材として、私たちの非常に身近な存在となっています。

冬暖かく、夏涼しい！

上述のとおり、暖かさがウールの最大の特徴です。ウールは繊維に空気を多く含んでおり、暖まった空気を外に逃がさない「保温性」に優れているので、寒い季節でも暖かさをキープできます。また、湿度調節をする機能が備わっており、一定量を超えた水分を外に放出するので、夏は涼しく快適に過ごせます。

シワができにくい！

ウールは伸縮性と弾性に優れており、シワができにくい素材です。シワができたとしても、蒸気を当てればすぐに戻ります。また、型崩れしにくいのもメリットで、引っ張ると30％程度は伸びますが、簡単に元の状態に戻ります。

染めやすい！

ウールは染色性に優れており、染めやすいのがメリットです。染めやすいだけでなく、繰り返し洗濯しても色落ちしにくい素材でもあります。

汚れにくい！

ウールの表面は水をはじくため、汚れが付きにくいです。それでいて、ウールの内部は吸湿性に優れているため静電気が起きにくく、静電気によるホコリの吸着も少なく済みます。

燃えにくい！

ウールは他の素材に比べて燃えにくい性質を持っているので、飛行機のシートやカーペットなどにも使われています。炎に近づけると燃えますが、そのまま燃え続けることはありません。火源を取り除けば、自然と消火します。

地球にやさしい！

羊の毛であるウールは、純然たる天然繊維。化学繊維とは異なり自然界に存在するものですから、大きな環境負荷をかけることなく生産できます。土中の微生物によって分解されて土に還るため、地球にやさしいエコな素材だと言えます。

抗菌・消臭機能がある！

羊の毛であるウールは、羊を守るための免疫機能が備わっています。細菌に対する抗菌機能や消臭機能があるため、汗臭くなりにくい素材だと言えます。

ウール製品の注意点

衣替えでセーターを出してみたら、虫に食われていた･･･といった経験はありませんか？　ウールは動物性の天然繊維なので、虫害を受けやすいという弱点があります。保管中に虫喰いの穴が空いてしまわないよう、注意しなければいけません。特に、長期間使わないときは防虫剤が必須です。また、毛玉ができやすいのはウールのデメリット。家庭で洗濯する場合は、水に濡れると縮むリスクがあるため、水洗いは避けたほうがいいでしょう。なお、アイロンをかけるときは当て布が必要です。