ドクター・看護師の制服と言えば、昔から白衣が定番でした。白衣がここまで定着した理由としては、「医師や看護師の印象づけ」が挙げられます。もしあなたが体調を崩して病院に行ったとき、ドクターも看護師さんも私服だったら不安になりますよね。本当に医者(看護婦)なのか?・・・と。
白衣を見るだけでドクター・看護師だと認識でき、安心できることは重要なこと。同じことが警察官の制服などにも言えるはずです。
ドクター・看護師であると分かることに加え、ナース服は医療現場に求められる衛生管理にふさわしい色であり、清潔なイメージを与える色として「白」が選ばれ、今日まで医療制服として着用されてきました。
ナース服 白はいいことばかりではない!?
上述のように、私たちは白衣を見ればドクター・看護師だと認識するようになりましたが、その「白」がちょっとした問題をもたらすケースもあります。たとえば、「白衣にデメリットがある!?メディカルウェアが向かう先とは?」でお伝えしたように、白衣を見ただけで血圧が上がる「白衣高血圧症」はよく知られています。
白は「清潔」「純粋」「出発」「プロフェッショナル」などプラスのイメージが多い色ですが、小さなお子さんにとってはどうでしょうか? 真っ白な白衣を見て、無機質で冷たい印象を覚える子は少なくないと思います。お年寄りも同様です。白から恐怖を感じたり、圧迫感を覚えたり、場合によっては「死」を連想したり・・・。こうして考えると、白は決して良いことばかりではないのです。
>> 参考:失敗しない制服・ユニフォームの選び方【カラー・無彩色編】
病院内装はどうして白いのか?
病院の内装と言えば、白を思い浮かべる人が多いと思います。院内に白を使う病院が多いのは、やはり清潔/不潔をきちんと区別する必要がある場所だから。もちろん、「カラフルな色では患者さんの心が落ち着かない」という意見もあるでしょう。ですが、もしあなたが病気やケガで入院するとしたら、一日中、真っ白な部屋に寝かされていて元気になれると思いますか? 真っ白な部屋で真っ白な服を着た人に囲まれているとストレスを感じる、不安が増す、憂鬱な気持ちになる。――こういった方もいるようです。
ますます注目される「色の力」
色ひとつで気持ちが変わり、雰囲気が変わり、健康にも良い影響を及ぼす可能性があるということで、日本の病院でも「色の力」が注目されるようになり、様々な変革がなされています。
近年、ドクターも白衣だけでなく、カラフルなスクラブやケーシーを着る人が増えてきました。ナース服も色とりどりになり、無地だけでなく花柄やドット柄、ストライプなども増えており、小児科などでは柄モノのユニフォームを着ている看護師さんを多く見かけるようになりました。従来、根強かった「医療従事者はこういう服装であるべきだ」という暗黙のルールは徐々に緩やかになっているのかもしれませんね。病院の内装も、「暗い」「怖い」「冷たい」というイメージをなくしていこうと、色のついたインテリアを取り入れる動きも目立つようになってきました。
病院ユニフォームも内装も「医療現場=白」というのは、もう古い考えなのかもしれません。明るい内装の病院、カラフルなメディカルウェアを着たスタッフが増えてくるのは、歓迎すべきことなのではないでしょうか。
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